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第370回 シーズン37 エピソード10
曲線を裏返す(後編)

登場人物紹介

:数学が好きな高校生。

テトラちゃんの後輩。 好奇心旺盛で根気強い《元気少女》。言葉が大好き。

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図書室にて

テトラちゃんが村木先生からもらってきた《カード》には、曲線の描き方が書いてあった(第369回参照)。

そして、テトラちゃんはいっしょに曲線 $L$ の解析をして、 $x,y$ の関係式と概形を得ることができた。

テトラちゃんがもらった《カード》

平面上に二点 $F_1(-a, 0),F_2(a, 0)$ があります。 $a$ は正の実数です。

《線分 $PF_1$ と線分 $PF_2$ の長さの積は $a^2$ に等しい》という条件を満たす点 $P$ が作る曲線を $L$ とします。

曲線 $L$ について自由に考察してください。

テトラの計算結果第369回参照

$a$ を正の実数とします。

点 $P(x, y)$ は、 $$ (x^2 + y^2)^2 = 2a^2(x^2 - y^2)\qquad \cdots\cdots\spadesuit $$ という条件を満たします。

この条件を満たす点 $P$ が描く曲線 $L$ は、どんな曲線?

曲線 $L$ の概形

曲線 $L$ を極座標で表してみよう!

「これ、見覚えある。このあいだ、ユーリといっしょに似たような曲線を描いたぞ! 花のような曲線だ(第363回参照)」

テトラ「え?」

「もしかして、あのときと同じ式になる?  ……うん、これは僕の予想だけど、極座標を使って表したら非常に簡単な式になるはず!  きっと、

 『$L$ って、そういう曲線なんだ!』

と言いたくなる式が出てくるはず!」

テトラ「さっそくやってみましょうっ!」

僕たちが考えようとしていること

次の式 $\spadesuit$ は、曲線 $L$ を直交座標で表したときの $x, y$ の関係式になっている。 $$ (x^2 + y^2)^2 = 2a^2(x^2 - y^2) \qquad \cdots\cdots\spadesuit $$ これを極座標で表して、動径 $r$ と偏角 $\theta$ の関係式として曲線 $L$ を表現したら、どんな式が出てくるだろうか。

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(2022年9月23日)

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結城浩(ゆうき・ひろし) @hyuki


『数学ガール』作者。 結城メルマガWeb連載を毎週書いてます。 文章書きとプログラミングが好きなクリスチャン。2014年日本数学会出版賞受賞。

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